早稲田大学創造理工学部 環境資源工学科

自然環境と調和した資源循環システムの創造

環境資源工学科とは

自然環境と調和した持続可能な地球資源システムの創造

かつて地球は人類にとって無限の大きさをもっていました。ところが今、人類は地球に深刻な影響をもたらす存在へと変貌しています。 文明社会の発展にともない、人類は温暖化、砂漠化、海水面上昇、異常気象、森林破壊、生物種の絶滅、オゾン層破壊、有害物質による汚染など、様々な環境問題を地球に引き起こしました。 また、現代の都市生活を支えている鉱物資源やエネルギー資源をこのままのペースで人類が消費し続ければ、近い将来、天然資源が枯渇の危機に直面することに疑う余地はありません。 環境問題と資源枯渇の危機を回避するための技術と方策を確立することが、人類に課せられた急務です。 地球の有限な資源量や環境容量を考えると、資源の消費削減や節約だけでは、将来、長きにわたって活用することはできません。 地球を一つの有限なシステムとして理解し、すべての資源を無駄なく循環させる「地球資源システム」を創造することが重要です。もちろん、そのシステムを持続可能なものにするためには、自然環境と調和したものにしなければなりません。 環境資源工学科は「自然環境と調和した持続可能な地球資源システム」の創造を目指しています。

地球資源・自然環境の存続のために学ぶ「3系列」

自然環境と調和した持続可能な地球資源システムを創造するには、自然環境を保全しながら効率的に資源を探査・開発し、有効に循環させることが必要です。環境資源工学科では、このために必要な知識を「地球・資源系」「素材・循環系」「人間・環境系」の視点から系統的に学ぶことができます。

早稲田大学創造理工学部 環境資源工学科

「地球・資源系」

鉱物資源とエネルギー資源の持続可能な開発のため、岩石・鉱物資源や石油・天然ガス等の生成過程から、探査・開発・生産までを学びます。

〈キーワード〉
金属資源、岩石・鉱物資源、石油・天然ガス、地熱、物理探査、掘削、貯留層モデリング、生産挙動予測、石造文化財

「素材・循環系」

鉱物や廃棄物からの効果的な有効成分の採取方法、素材生成プロセスの最適化など、地球資源の有効的な再利用のために研究しています。

〈キーワード〉
リサイクル、リユース、ライフサイクルアセスメント、分離精製、環境修復、金属精錬、電池材料、無機素材

「人間・環境系」

環境破壊の履歴調査、環境状態の診断方法、有害因子の計測・評価手法などを学び、環境の保全・改善のための研究に取り組んでいます。

〈キーワード〉
物質循環、気候変動、自然災害、越境汚染、労働衛生、作業環境、廃棄物管理、災害復興、環境・健康リスク

研究フィールドは地球全体。だから全世界で活躍できる

資源枯渇と環境破壊の危機は世界的な課題です。この難題に挑むため、環境資源工学科の卒業生は、日本国内のみならず、世界中で活躍しています。 上は空中や富士山から、下は地下・海底まで。都市にある工場・廃棄物処理場から、山深い、あるいは砂漠・原野の鉱山、採掘場まで。 カンボジアの石造遺跡から海上の石油プラントからまで。フィールドは地球全体に広がっています。海外の大学・研究機関や企業との共同研究も盛んです。

環境資源工学科では、岩石・鉱物資源やエネルギー資源の生成過程から、資源探査・開発、新素材の創製や循環処理・リサイクル、そして、環境の保全・改善まで、一貫して学べます。 資源開発と環境保護を対立的に考えるのではなく、深く相互に関連し合っているととらえ、いずれかに偏ることはありません。資源開発と環境保全をバランス良く学べるのが環境資源工学科の特徴です。