DEVELOPMENT

開発系

物理探査工学研究室

地下の可視化。

物理探査による地下情報の可視化

物理探査工学研究室

UEDA TAKUMI

上田 匠 准教授

研究室WEBサイト

ISSUE

課題

複雑な地下構造、地形、人工ノイズなどへの対応

地下資源の探査対象は、より大深度・難地域へ広がり、環境・防災・インフラ対策では、市街地など人工ノイズ下での高品質・高精度な計測と解析が求められます。測定も陸上だけでなく、空中、海底へと広がり、多くの局面で地下探査の難易度が上がっています。加えて、取得データ数が飛躍的に増加し、地下情報を3次元、4次元(空間+時間)でより高精度に推定する必要性も高まっています。それらの社会的要請に応えるため、装置や測定システムの高性能化はもちろん、地下情報とデータを結びつける複雑な物理現象とその支配方程式を高速・高精度に求解し、地下を可視化することが求められています。

MISSION

使命

研究テーマは、

物理探査工学、特に電気・電磁探査法による資源・環境・インフラ・防災等に関する地下情報の可視化技術

地球・大地に対するCTスキャン

社会の様々な場面で地下や不可視領域の情報は極めて重要です。しかし、そのたびに大地や対象を掘削することは非現実的であり、非破壊・非侵襲での探査が必須です。物理探査工学は、医療分野におけるレントゲンやCTスキャンのような画像診断技術を地球・大地に対して行う、地下の非破壊可視化技術です。人体とは違う様々な制限があるなか、いかに高速かつ高精度に地下情報を取得・推定するかについて,数値計算を軸に、データ解析技術や探査システムの開発に関する研究を行っています。

INTEREST

オモシロイ

数学と物理とコンピュータで地下を可視化

病気や怪我,虫歯の治療でも,まずレントゲンなどの画像診断が用いられます。地下の調査では物理探査がその役割を担います。資源,環境,防災,人類が直面する多くの課題で「地下」や「肉眼では見えない」場所を,掘らずに,壊さずに視ることが欠かせません。そして,そのためには高校や大学で学ぶ,数学や物理をうまく利用することがとても大切です。長く学んできた基礎的な学問とコンピュータを駆使して,見えない地下を可視化できた時のうれしさ,面白さを大切に教育と研究を進めていきたいと考えています。

トピックスtopics

●2021年1月、UAV(小型無人航空機≒ドローン)を用いた物理探査法の現状や技術について、物理探査学会でのセミナー講師。

●2021年春、電磁探査データに対する深層学習(Deep Learning)による解析について、
国内の学会では初となる研究成果を発表。

●以上のように、ドローンやAI技術についても積極的に研究を進めています。

WISH

想い

地道な作業や思考の積み重ねこそが大切

物理探査、地下探査に興味をもってくれる学生が増えることはもちろん嬉しいですが、それ以前に、なんのために大学で勉強し、研究するのかを考え、学生時代と研究室での時間を過ごして欲しいと思います。「順道制勝」という言葉のとおり、研究においても王道はなく、地道に面倒な作業や思考を積み重ねるしかありません。しかし、それこそが人生において大学での勉強・研究を通じて得られる財産となるのではないかと考えています。

フィールドfield

地下に関する問題がある場所全て、陸海空どこでも探査のフィールドです。また、数値計算の理論やシミュレーションやプログラミングは自宅でもカフェでも研究可能です。

イベントevent

COVID-19を機にほぼ完全なハイブリッド(登校/リモート)研究の体制を構築しました。
多様性が求められる時代、研究テーマや研究スタイル(登校/リモート)など、学生に多くの選択肢を提供できる研究室を目指しています。