RECYCLING

循環系

資源循環工学研究室

賢く壊して、賢く分ける。

未利用資源の単体分離・物理選別技術の高度化

資源循環工学研究室

OWADA SHUJI

大和田 秀二 教授

研究室WEBサイト

ISSUE

課題

廃棄物資源の分離。そのキーテクノロジーとは?

適正な資源循環型社会の構築には、成分分離技術の効率化が必要です。同時にその際に要する資源・エネルギー投入量を極力抑えた経済合理性の高いプロセスの開発もまた必要となります。人工(廃棄物)資源を固相状態のまま高度に分離することはそのキーテクノロジーであり、世界的にもその実現が求められています。

MISSION

使命

研究テーマは、

天然(鉱物)・人工(廃棄物)資源のさらなる有効活用に向けて、単体分離・物理選別技術の高度化を図る。

高度化が急がれる固相分離技術

「分ければ資源、混ぜればゴミ」と言われるように、資源循環において各種資源から有価成分・有害成分を分離して回収・除去することは基本技術です。当研究室では、省資源・省エネルギー的でありながらこれまで進展が遅れてきた固相状態での分離技術開発を中心に進めています。要素技術には「粉砕」と「選別」の2つがあって、「粉砕」では異相境界面を選択的に破壊して構成成分の単体分離を向上すること(Intelligent Comminution)を、「選別」ではセンシングを含む各種先端技術を適用しより精緻に分けること(Intelligent Sorting)を目的としています。

INTEREST

オモシロイ

物理・化学分野をまたいで知を融合。

例えば、サイズ・形状・光沢・磁化特性・導電性・水に対するぬれ性…固体粒子の特性は物理・化学両分野にわたっており、物理や化学に限定されず、各種の特性を利用する技術が必要です。これまで蓄積されてきた多くの分野の知識を融合し、理想的な分離プロセスを構築すること。総合的な知が試されるところがおもしろさです。

トピックスtopics

●世界に先駆けて各種センサー選別によるアルミ合金類の種類別分離
プロセスを開発プロセスを開発。

●各種人工資源の高度分離を可能とするLIBS(レーザー誘起ブレークダウン分光)ソータを開発、適用拡大を図る。

●粉砕技術として、電気的エネルギーの活用(電気パルス粉砕)を提案。

WISH

想い

星新一が投げかけた、廃棄物の本質。

星新一のショートショート「おーいでてこーい」を紹介したい。ある日子供たちが大きな穴を見つけた。「おーいでてこーい」と叫んでも返事はなく、石を一つ投げ入れても音はしない。その後、世界中の人たちは、これは便利な穴だということで、いろいろと不要なもの・有害なものをその穴に捨てはじめた。大量発生した各種有害物質、機密書類、身元不明の死体、放射性廃棄物等々。しかしある日、空から「おーいでてこーい」との声が聞こえ、そして一つの石が落ちてきた。この物語の恐怖は言わずもがなである。廃棄物は適切に循環利用し、最終的に捨てるものは適切に処分しなければならない。そのことに気づかされた作品であった。

フィールドfield

欧米の各種大学・企業と連携して研究を実施、本庄キャンパスに、世界に先駆けて当研究室で開発したLIBSソータを設置

イベントevent

学生の自主ゼミとして、毎週土曜日、各学生による成果報告会を実施、その際、学外からも招聘研究員3名にご参加いただき討論